[計算例 3] 実河川の流れとトレーサーの追跡計算

実河川ので行われた浮子観測の結果をもとに再現を行う. 洪水時に浮子投下機から浮子を投下し、100m区間の流下時間を測定、流速を算定している. 観測水位・流速から求められた流量2640m3/sを対象に, Nays2d+を用いて表面流を算定後, UTTによる浮子の再現を行う.

Nays2d+による流れの計算

ソルバの選択

iRIC起動画面より, [Nays2d+]を起動する.

../_images/001.png

Figure 159 : ソルバーの選択

計算格子と河床形状の作成

1) 河床高のインポート

[インポート] → [ 地理情報] → [河床高(m)] より、tikei.tpo(点群データ)を読み込みます。 次に点群データの間引きを選択します。ここでは間引きは行わず、1を選びます。

../_images/002.png

Figure 160 : 河床高選択

../_images/003.png

Figure 161 : 点群データ読み込み

../_images/004.png

Figure 162 : 間引き

読み込んだ地形データを示します.

../_images/005.png

Figure 163 : 地形データ

2) 背景の設定

[ ファイル ] → [ プロパティ ] を選択し, プロパティ画面より座標系を選択します.

../_images/006.png

Figure 164 : プロジェクトプロパティ

検索からJapanを打ち込み, EPSGのJapan VIを選択します.

../_images/007.png

Figure 165 : 座標系の選択

オブジェクトブラウザより、[背景画像(インターネット)] → [ 国土地理院(標準地図)]を選択します。

../_images/008.png

Figure 166 : 背景の表示

3) 計算格子の選択

[ 格子 ] → [ 格子生成アルゴリズムの選択 ] → [ 折れ線と格子幅から生成 ]を選択する.

../_images/009.png

Figure 167 : 格子アルゴリズムの選択

上流側から下流へ向けて中心位置を選択する.

../_images/010.png

Figure 168 : 中心線の選択

格子生成画面より, 格子数 nI:290, nJ:56, 幅W140mとする. 格子サイズは2.5m×5.0m程度となる.

../_images/011.png

Figure 169 : 格子生成

../_images/012.png

Figure 170 : 格子形状

4) 橋脚の設定

画面左のオブジェクトブラウザより, 地勢データ1を非表示にし, [ 障害物 ] → [ 追加 ] → [ ポリゴン] を選択し, 橋脚位置を障害物設定する. また, 全格子をポリゴンで囲み通常格子とする. このとき, 通常セルは障害物セルより 下層のレイヤーに配置する.

../_images/013.png

Figure 171 :障害物

../_images/014.png

Figure 172 :障害物セル

5) 粗度係数の設定

[マニングの粗度係数]よりポリゴンから全格子囲みn=0.030を入力する.

../_images/015.png

Figure 173 :粗度係数

6) 属性のマッピング

[ 格子 ] → [ 属性のマッピング ] → [ 実行 ]を選択する.

../_images/016.png

Figure 174 :属性マッピング

../_images/017.png

Figure 175 :属性マッピング実行

計算条件の設定

メニューの[ 計算条件 ]より計算条件をを設定する. 各種条件を図に示す。

../_images/018.png

Figure 176 :流量および読み込みファイル

../_images/019.png

Figure 177 :流量と下流端水位の時系列データ

../_images/020.png

Figure 178 :時間および浸食に関するパラメータ

../_images/021.png

Figure 179 :境界条件

../_images/022.png

Figure 180 :他の計算条件

../_images/023.png

Figure 181 :三次元流速分布

計算の実行

名前を付けてプロジェクトを保存し, 計算を実行する. 計算が終わったら, 保存してプロジェクトを閉じます.

UTTによる仮想トレーサーの追跡計算

ソルバの選択

iRICの起動画面から, [新しいプロジェクト]を選ぶと表示されるソルバの選択画面で [UTTとても便利な多機能トレーサー追跡ツール] を選択して[OK]を押す.

../_images/024.png

Figure 182 :ソルバーの選択

格子のインポート

オブジェクトブラウザーの[格子(データなし)]を右クリック して, [インポート]をクリックする.

../_images/025.png

Figure 183 :ソルバーの選択

Case1.cgn を選択する。

../_images/026.png

Figure 184 :インポートするファイルの選択

地形データの確認

座標系を設定する. メニューより[ ファイル ] → [ プロパティ] を選択する.

../_images/027.png

Figure 185 :プロパティの選択

プロジェクトプロパティ画面より, 座標系の [ 編集 ] を選択する.

../_images/028.png

Figure 186 :プロジェクトプロパティ

座標系の選択画面より, 検索に [ japan ] を入力し, [ EPSG:・・・CSVI ] を選択する.

../_images/029.png

Figure 187 :座標系の選択

オブジェクトブラウザより, 背景画像(インターネット)の国土地理院(標準地図)を選択する.

../_images/030.png

Figure 188 :背景画像

UTTによるトレーサー追跡計算

1) 計算条件設定

計算条件を示す.

../_images/031.png

Figure 189 :基本設定

../_images/032.png

Figure 190 :cgnファイル選択

../_images/033.png

Figure 191 :軌跡表示を行う特別トレーサー投入条件

../_images/034.png

Figure 192 :乱れの影響

2) 計算の実行

ファイルをプロジェクトで保存し, 計算を実行する.

3) 計算結果の表示

[計算結果]より, [新しい可視化ウィンドウ(2D)]を開き, [背景画像(インターネット)]から[ 国土地理院(標準地図)]を選択する.

../_images/035.png

Figure 193 :背景画像

オブジェクトブラウザより、ポリゴンの Trajectory を右クリックし、 プロパティを選択する.

../_images/036.png

Figure 194 :ポリゴンのプロパティ

ポリゴン設定画面より, [ 線の幅 ] に 3 を入力する.

../_images/037.png

Figure 195 :ポリゴン設定

オブジェクトブラウザより、[ スカラー(格子点)] の[ Velocity ] を選択し、 右クリックよりプロパティを選択する. スカラー設定画面より, 値を入力し, 最小値以下を描画のチェックを外す.

../_images/038.png

Figure 196 :スカラー設定

以上より, 浮子投下機より投下したトレーサーの軌跡の計算結果を示す.

../_images/039.png

Figure 197 :トレーサーの軌跡表示

../_images/tracers.gif

Figure 198 : トレーサーの軌跡アニメーション