[計算例 1] 直線水路におけるトレーサーの輸送
Nays2DHによる流れの計算
ソルバの選択
iRICの起動画面から、[新しいプロジェクト]を選ぶと表示されるソルバの選択画面で、 [Nays2DH]を選んで[OK]ボタン押すと、
「無題- iRIC 4.x.x.xxxx [Nays2DH iRIC4X 1.0 64bit]」と書かれた Windowが現れる。
計算格子の作成
Figure 10 のウィンドウで、[格子]→[格子生成アルゴリズムの選択]から現れる、 「格子生成アルゴリズムの選択」ウィンドウ で[簡易直線・蛇行生成ツール]を選んで[OK]を押す。
Figure 12 の画面で、「水路形状」を選択し、 「水路主要部の形状」を[直線水路]、「X方向長さもしくは流下方向延長(m)」を[5], 「X方向の格子数」を[100]、「Y方向長さもしくは水路幅(m)」を[0.5]、 「Y方向または横断方向格子数」を[20]、 「主要部の河床勾配」を[0.005],「下流端の河床高(m)」を[-0.5]に 設定し、他はすべてデフォルトなので、「格子生成」をクリックする。
すると、Figure 13 確認ウィンドウが現れるので,[はい(Y)]を押すと格子が生成され、 Figure 14 が表示される。
Nays2dHによる流れの計算条件の設定
次に計算条件の設定を行う。メニューバーから「計算条件」→「設定」を選ぶと、 計算条件設定ウィンドウ Figure 15 が表示される。
Figure 16 の「境界条件」の「上流端流量と下流端水位の時間変化」で[Edit]を クックして、流量ハイドログラフ入力ウィンドウ Figure 17 に 移る。
Figure 17 において、「時間」「流量」のハイドログラフを入力する。 ここでは、0~100秒まで、0.001㎥/sの一定流量を与える。設定が終わったら[OK]を押して ウィンドウを閉じる。
「時間」を選択し、パラメーターは Figure 18 のように設定し、 「OK」をクリックする。
Nays2dHによる流れの計算実行
[計算]→[実行]を指定すると、「計算開始する前に、プロジェクトを保存しますか?」 など聞かれるので、「はい(Y)」を選択しプロジェクトを適当な名前で保存する。 この時。プロジェクトはiproファイルで保存せずに必ずフォルダで保存すること。 計算中は Figure 19 のような画面が表示され、計算が修了すると、 終了すると、Figure 20 のような画面が現れるので、 [OK]を押して、計算は終了となる。
重要 計算が終わったら必ず Figure 21 のメニューバーの「ファイル」「保存」を 選んで計算結果を保存すること。この結果は後に行うGELATOによる解析で重要となる。
計算結果の表示
計算の終了後、[計算結果]→[新しい可視化ウィンドウ(2D)を開く]を選ぶことによって、可視化ウィンドウが現れる。
流速ベクトルの表示
オブジェクトブラウザーで、[ベクトル][Velocity]に☑マーク入れて、 [ベクトル]をフォーカスさせてマウス右ボタン[プロパティ]をクリックすると、 「ベクトル設定」ウィンドウ Figure 23 が現れる。ここで、赤線で 囲った部分の設定をして[OK]を 押すと Figure 24 が表示される。Figure 24 は水深平均流速ベクトル である。等流状態で一様の流速分布となっている。
パーティクルの表示
オブジェクトブラウザーの「ベクトル」を一旦アンチェックし、「パーティクル」と「Velocity」 に☑マークを入れる。( Figure 25 )
Figure 26 のように「パーティクル」右クリックして「プロパティ」を選ぶと、
Figure 27 のような「パーティクルの設定」画面が現れるので、図の赤囲いのように パーティクスの発生位置を指定する。
Figure 27 に示すように、タームバーをゼロに戻し、メインメニューから、 「アニメーション」「開始/停止」を選ぶことにより、 Figure 29 のようなパーティクルの動きが表示される。
Figure 29 からわかるよに、流れの計算結果をそのままパーティクル表示すると、 乱流による乱れ成分が含まれていないので、何の変哲も無い 単純で退屈な 表示しかされない( ^^) _U~~
GELATOよるトレーサーの追跡
GELATOの起動
iRICの起動画面から、[新しいプロジェクト]を選ぶと表示されるソルバの選択画面で、 「GELATOとても便利な多機能トレーサー追跡ツール・魚も追跡できます」を選んで、「OK」を クリックする。( Figure 30 )
「無題 -iRIC 4.x.x.xxxxx [GELATO(旧 UTT)]」 と書かれたウインドウが現れ、GELATOセッションが開始される。(Figure 31 )
この状態の「プリプロセッサー」の「オブジェクトブラウザー」の「格子」の部分には [データなし]と表示されている( Figure 31 ) ので、まずは前記 (Figure 14)で作成したものをインポートする。
「格子(データーなし)」を右クリックして「インポート」を選ぶ (Figure 32 ).
Figure 33 に示すように前述の「Nays2DHによる計算結果」を セーブしたプロジェクトフォルダーの中にある 「Case1.cgn」を選択して、「開く」をクリックする。
Figure 34 「このCGNSファイルは・・・ナンチャラ・・・・インポートしますか?」 と出るが、細かいことは気にせずに「はい(Y)」と答えると、 Figure 35 のように格子のインポートが完了する。
2個のトレーサーの追跡(乱流拡散無し)
計算条件の設定
Figure 36 に示すように、メインメニューから「計算条件」「設定」を選ぶ。
以下に示すように計算条件を設定していく。
「基本設定」の「流れの計算結果を読み込むCGNSファイル」には前記の「Nays2DHの計算結果」 が格納されているCGNSファイルを指定する。
他の条件はデフォルトの値を使用する。
計算の実行
メインメニューから、「計算」「実行」を選ぶと、「保存しますか?」 のようなメッセージが出るので、「はい(Y)」を選んで、プロジェクトを保存する。 保存が終了すると、計算が実行され、Figure 42 のようなウィンドウが 表示される。
計算が終了すると、Figure 43 のようなウィンドウが 表示されるので「OK」を押す。
計算結果の表示
メインメニューから、「アニメーション」「開始/停止」を選ぶ( Figure 44 ) とアニメーションが開始される。( Figure 45 ) トレーサーはプライマリーとセカンダリーそれぞれのプロパティから色を設定することができる。
当然、乱流拡散なしの場合は Figure 45 のような単純な結果となる。
2個のトレーサーの追跡(乱流拡散有り)
計算条件の設定
計算条件を変更し、乱流拡散の影響を考慮する。メインメニューから「計算条件」→「設定」を選択し、 Figure 46 の「計算条件」の設定ウィンドウを表示し、 「乱れの影響」の「ランダムウォークによるセル以下スケールの乱れの考慮」を「する」に設定し、 パラメーターの「Aの値」を[1]に設定し、「OK」を押す。
計算の実行と結果の表示
前記と同様に計算を実行して結果をアニメーション表示すると、Figure 47 のような 結果となる。
さらに Aの値を10とすると、Figure 48 となり、明らかに乱れの影響が大きくなる。